浮気でお金を使い込まれても、別請求が通らない場合があります。

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お金を使い込まれた場合

離婚する時は原則として折半で財産分与するものですが、浮気などを理由にお金を使い込まれた場合はどうなるのでしょうか?

 

共有財産を使われたイメージ

 

法的には、夫婦の生活に不要な浪費だと証明する証拠があれば、財産分与とは別で請求できます。

 

たとえば離婚時の共有財産(預貯金等)が200万円で、浮気を理由に100万円の使い込みを証明できた場合、財産分与100万円(財産の50%)+100万円の請求が認められます。

 

ギャンブルや夜の街での浪費が明確であれば、使い込みを証明して請求できるケースが多いですが、浮気の場合は愛人へ多額の貢ぎ物をしていた場合を除いて請求が難しいです。

 

また、投資によって借金や財産を溶かす事例も多く見られますが、投資については一方の判断で行っても夫婦でリスクを共有する概念があるため、財産分与との別請求は困難になります。

 

平凡な浮気での証明は困難

 

ホテルや食事でお金を使う程度の密会だった場合、貯金を切り崩していたとしても、財産分与とは別請求できる浪費として認められるケースが少ないです。
1日数万円程度のデート代であれば、お小遣いの範囲内としてみなされるケースが多いので注意しましょう。

 

探偵を利用した浮気調査で、数十万円のブランド品を買った現場を目撃し、クレジットカードの明細を入手するなど明確な証拠があれば浪費として認められる可能性があります。

 

このほか、浮気相手との愛の巣として賃貸住宅を借りていた場合や、車など高価なプレゼントをした場合も証拠があれば請求可能です。

 

資産を減らしていたかが重要

 

減っていく共有財産のイメージ

 

浮気をしている期間を明確に把握し、浮気期間中に家庭のために必要な出費が少なかったにも関わらず資産(貯金)を減らしていた。
さらに、貯金を減らした理由が浮気に関連した支出だった証拠を用意できれば、使い込まれたお金を請求できる可能性が高いです。

 

一方で、浮気で浪費をしていたけど貯金を減らさずにお金のやりくりをしていた場合は、浮気で浪費した証拠があっても請求を認められないリスクがあります。

 

たとえ、浮気をされた側の収入によって資産を減らす状況を回避できていたとしても、夫婦の収入は共有される概念があるため別請求が困難です。

 

結婚後に築いた財産かどうか

 

財産分与でお金の使い込みによる別請求をできるかどうかは、結婚後に築いた財産かどうかもポイントになります。
結婚する前から浮気をした当事者が相応の貯金を持っていた場合、そのお金を自由に使っても問題ないと判断されることになります。

 

多くのケースで結婚する時点で相応の貯金を持っているため、数十万・数百万円程度の使い込みは逃げ道が多いです。
結婚期間が極端に短い場合を除いて、夫婦の財産を全て折半することを認められるケースは多いですが、使い込みの別請求は財産分与の取り分確保よりも難易度が高いので注意しましょう。

 

過度な期待をしてはいけない

 

法的には浮気等で使い込んだお金は財産分与とは別で請求できますが、実際に財産分与を巡る調停や裁判を行って別請求を認められた判例は非常に少ないです。

 

別請求は原則的に認められない

 

探偵の浮気調査で証拠を掴んだ場合は、まずは夫婦間の協議で財産分与を有利に進められないか浮気の証拠を根拠に交渉してみてください。
直接の協議では折り合いがつかず、裁判で財産分与の内容を決める場合も主張だけはするようにしてください。
ただし、実際に裁判所の判断で使い込みが認められるケースは非常に稀です。

 

また、隠れて浮気するような要領が良い人は、隠し財産を持つなど上手に財産分与の交渉を進めるケースが多く見られます。
浮気を理由にした慰謝料請求や離婚は証拠さえあれば簡単に認められますが、お金の使い込みによる別請求は証拠だけでは対処できない部分があります。
過度な期待はせず、浮気調査で得た証拠があっても認められればラッキーくらいの気持ちで請求するようにしてください。

 

使い込みの金額が少ない場合は、弁護士を使って徹底的に争うことで金銭的な損失を被るケースもあります。
慰謝料自体の相場については以下のページをご覧ください。